ATSについて

更新2005.11.26

鉄道では、列車は信号装置の指示にしたがって運転を行います。しかし列車の密度が高くなり、高速度で運転される線区では自動閉塞式信号機などにより、安全性は高められてきましたが、信号の確認はなお、運転士の注意力によっています。そこで近年、運転の取り扱い上人間の注意力の散漫などによるミスを防止するために、新しい列車制御システムが導入されました。これがATS・ATC等と呼ばれる制御装置です。

ATSはAutomatic Train Stop(自動列車停止装置)の略です。国鉄では昭和43年3月までには全線区への設置が完了しました。

国鉄のATSの大部分はATS-S形と呼ばれています。上図に示しましたように「停止信号機」の手前約700mに、地上子(共振コイル)を置き、停止信号の時に回路が生きるようにしておきます。一方、列車上には発信器を持ち、列車が地上子の上を通過したときに、発信周波数が変調されて、警報ベルや赤ランプが発せられるようになっています。運転士はこれら警報装置により、ブレーキをかけ、5秒以内に確認ボタンを押しますと「赤ランプ」が「白」に変わりますが、確認扱いをしないと、自動的に非常ブレーキがかかり、列車は停止します。S形では確認扱いをした後、そのまま運転を続けると危険なので、ベルが鳴りやんでもチャイムが鳴り、警報が持続するように改造されました。

 地上子(共振コイル)はphot1のように運転士側に
オフセットして設置されています。
昭和43年以来車体に取り付けられた「発信器」はphoto2のように
二本のまっすぐに伸びた柱に発信器アンテナ板が取り付けられています。
車体に取り付けられたATS車上子は運転席よりの後方に
取り付けられています。
昭和60年以降に新製された列車のATS車上子は「発信器」本体
を支える柱の間隔が途中で狭くなり、補強用の柱が増えています。

通勤電車区間はATS-B形が取り付けられています。この方式は地上子はなく、線路に流されている電気の電圧・電流分布が列車の動きと共に変動する原理を利用して、停止信号を示している信号機の一定距離に列車が接近すると警報が発せられます。

戻る