クハ79 300番代後期型は昭和29(1954)年から新製されたグループで、基本的なデザインは中期型のグループに準じています。(各部の固定窓をHゴム支持化)
大きな変更点は350/352で試作された前面窓廻りを凹ませて傾斜させ更に傾斜角度を5°から10°に変更し、昭和31(1956)年からはヘッドライトが妻面幕板部に埋め込まれました。これが後の101系103系新製能電車の前面デザインを決定させました。
首都圏及び大阪圏の通勤線区の主力として活躍した72系も、101系以降の新製能車が登場してくると次第に地方へ転属しました。側窓をアルミサッシ化するなど体質改善改造や使用線区に併せた改造を施されて昭和59(1984)年まで活躍し続けました。
(A)300~314(偶数)の7輌。1952(昭和27)年製造(B)316~348(偶数)。1953(昭和28)年製造(C)301~387(奇数)/354~420(偶数)。1954~55(昭和29~30)年製造(D)389~467(奇数)/422~488(偶数)。1956年製造。等年式により4種類に分類されます。
弊店ではこれら製造年度を車体形状の関係で以下のように3つに分類しました。
(1)0番代の屋根が浅くなり、客扉の上にドアヘッダーが付いた「初期型」。AとB
(2)戸袋窓・運転席前面窓がHゴム支持になり、正面窓を10°傾斜させ上部に通風口。またヘッドライトは(1)と同じく屋上にあり、正面のみノーシルノーヘッダーを主な特徴とする「中期型」
(3)前照灯が妻面に埋め込まれ屋根の曲率も変更され材質も鋼板製となり、その後の101,103系の基礎を築いた「後期型」D
台車は全てTR48を使用します。